私は、5回目の卒検でようやく合格しました。
何が問題だったか、それが明確にわかった、私の普通二輪教習の最終回です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
以下、シリーズです。
普通二輪教習のこと①–ある日突然教習所に行ってみた
普通二輪教習のこと②–考えが甘すぎた? 引き起こしで挫折
普通二輪教習のこと③–初めてバイクに乗った!でも怒濤のオーバー
普通二輪教習のこと④–バイクが怖い!ape登場
普通二輪教習のこと⑤–卒検に4回落ちる
普通二輪教習のこと⑥–やっと合格!バイクの特性を理解する
2-12-6-22
■補講と卒検の繰り返しの中で
というわけで、4回も卒検に落ちてしまいました。
なぜか突然できなくなってしまったクランク、それからスラロームもギクシャクとしています。
教習所によるとは思うんですが、見極めをもらった後は自由に練習させてもらえないんですよね。
卒検に落ちたら補講一時間のみ。まあ、普通は1回や2回で済んでしまう方がほとんどだと思うので「もっと補講を!!」というクレームなんて無いんでしょうね。私は声を大にして訴えたかったけど。
もうエイプも返してしまったし、第一クランクの練習なんてできるところは教習所しかない。
落ちるたびに諭吉がひらりひらりと飛んでいきます…
3回めの試験に落ちたときはさすがに廊下で一人泣きました。
悲劇オーラが出まくりで誰も私の近くを通れなかっただけかもしれませんが(笑)
でも、教習の時には超厳しかった教官が、不思議とみなさん優しくて。
1回めの卒検落ちたときは、H教官がわざわざ慰めにきてくれて
「かなぷさんよりも背が小さい女性が大型の免許取りに来てるから、あれだけ乗れてれば大型にだってチャレンジできるよ。」
とフォローをいれてくださいました。
※後にこの一言を本気にした愚か者が一人いたことは言うまでもありません。
ダンナには「教習所としてはとにかく一日でも早く卒業してほしいからだろうね」言われる始末。
そのダンナでさえ、私が「卒検バイクのコンディションが教習車と違ってやりづらい!(確かに、アクセルの反応が教習車よりかなりよかった)」と愚痴っていると「俺が中免とったときは検定車の整備が悪かったから検定直前で変えてもらったぞ」とアドバイスくれました。
※検定車を替えてもらうことはしなかったけどね(^^;
そして、何回もの補講の中で少しずつ気づいたこともあったんです。
■セルフステアリングと、バイクの特性
とにかく、2回めの卒検以降、クランクもだけど、まずスラロームがなんでこうギクシャクしちゃうんだろうというのが気になってました。
教習中の第二段階ではスピードはイマイチだったけど、パイロン当たらずにスルスルと抜けられていました。それなのに今はハンドルがすごく重く感じる。7秒以内で抜けるぞ!と気合を入れればいれるほどパイロンにぶつかったりする。
これがどうしてだかさっぱりわからない。
若い人は身体で覚えてしまうことなんだろうけど、40過ぎの脳みそは「理屈がわからないと身体には入らない」と、ライテクの本をAmazonでポチったり、googleで「スラローム」を検索しまくったり、もう必死でした。
ニーグリップもしてるし、視線も遠くにやってる。
バイクを倒すためにステップもふむようにしてる。
お尻をふりふりすればいいと聞いてそれも意識してる。
アクセルだってガバっと開けないようにしてるのに、低速でも中速でもバイクが曲がらない。
なぜなぜなぜ??????
で、何回目かの補講でとつぜん気が付きました。
あ、私、力が入りすぎてる?
もしかしてこれがセルフステアリングを殺してるってこと???
上半身、特に腕の力を抜くようにしてコーナリングしてみたら、今までよりもずっと小回りできました。そのままスラロームへGO!
面白いくらいにスイ!スイ!と曲がり、しかも今までみたいに「ズルズル~」ではなくリズミカルに抜けることができました!
そして、クランク。
3回め、4回めの補講の時には時間の半分はクランクの練習に割いていて、確率もだいぶあがっていました。
教官からコース取り・スピード・目線についてなど、他いろいろアドバイスも。
「まあ、トラウマになってるだけだから、もっとリラックスすれば大丈夫だよ」
とも言っていただきました。
でも自分の中ではなんかこうあと一歩しっくりくるところがなかった。
4回めの補講が終わったとき、H教官が喫煙所から見ててくれたみたいで、声をかけられました。
「クランクね、コースも目線もいいんだけどちょっと失速気味で不安定だね。
バイクはアクセルを開けると起きる。その状態でリアブレーキを踏むと重心がずーんと沈む。
半クラッチを上手に使えば、一本橋なんかはそれでいつまでも安定して停まってられるんだよ。
フロントブレーキは絶対触っちゃだめ。
そしてもっとアクセル開けちゃっていい、パイロンぶつかるつもりで。」
バチバチバチ!!!っとシナプスがつながった瞬間とでも申しましょうか?
乗れる人には当たり前のことだとは思うんですが、私が次の卒検で合格できたのは「この一言」につきます。
バイクの特性の基本の基本が、本当の意味でわかっていなかったんだなあ、私は。
きっといろんな教官が色々なやり方、言い方で私に伝えようとしてくれてたはずなんだけど。
5回目の卒検は予約の段階で、いつもに比べてすごく清々しい気持ちになっていました。
そして、街がだんだんクリスマスモードになってきているある日
私はついに普通二輪教習に合格しました!!
2階のラウンジから見ていてくれたダンナも「今度は大丈夫だと思った」とまっさきに言ってくれました。
合格後、校長先生と、そしてH教官に挨拶に行きました。
校長先生は、卒業式で免許を手に入れた直後の16号でスピードを出しすぎて亡くなってしまった少年の話をしてくれました。
一番大切なのは安全確認であることを肝に銘じました。
また、H教官はごくごく普通の体型ですが、400㎏もあるアフリカツインを乗りこなす方です。
バイクの特性を理解すれば、小さい身体で大きなバイクを操れるという、私にとって自信にもなり、バイクを理解するきっかけになった大切なことを教えてくれました!!
普通のひとの何倍も不器用で苦労して取得したバイクの免許。
バイクの特性を理解して、脳に叩きこんで、身体に覚えさせるのは自分自身であること
を心の底から理解できた貴重な体験だったと思います。
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